わが子の教育のため、絵事典を作ろう──。<br />江戸時代、京都の儒学者中村テキ斎は、天文、地理、人物、動物、道具、植物など森羅万象1400項目超を収めた日本初の絵入百科事典『訓蒙図彙』を出版する。<br />あらゆる語彙を絵解きした未曾有の書物は瞬く間にベストセラーとなり、子どもからおとな、果てはケンペルや南方熊楠をも魅了することとなった。<br />『訓蒙図彙』のデータベース化を達成した気鋭の研究者が、その知られざる魅力を現代に蘇らせる。<br />