私が欲しかったもの
盗んでも盗んでも、手に入らなかったもの。
それは、ただ横に座って私の話を聞いてくれる相手。
私を受け入れてくれる、自分の居場所だった――。
元北京五輪マラソン代表候補としてその名を知られた原裕美子。
引退し、一度は表舞台から消えた彼女の名前が、17年、18年と二度にわたり再び取り上げられた。
それは「万引きで逮捕」というニュースとしてだった。
原は依存症である「窃盗症(クレプトマニア)」を患っていた。
窃盗症に陥った裏にあった過酷な競技人生、怪我、婚約不履行、1000万円超の詐欺被害……。
これまでの過去と今とともに、40歳を前にひとりの女性として揺れ動く心の内を率直につづっている。
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