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「きこえない」をありのままにいさせて。

さっと読めるミニ書籍です(文章量15,000文字以上 20,000文字未満(20分で読めるシリーズ))【書籍説明】この本は一人の聴覚障害者の体験を通し「聴覚障害者」を少しでも知るきっかけになれたらと思います。
これを読むあなたは、聴覚障害者に対して興味を持っている人かもしれませんね。
「聴覚障害者にどう話しかけたらいいのかわからない」、そんな人もいるかもしれません。
大丈夫です。
本書を読めば、「聴覚障害者に対してどう接すればよいか」が、ある程度わかります。
誤解しやすいのですが、「聴覚障害者」は「(聴覚障害者が)頑張れば聴者と同じようになれる」わけではありません。
私をはじめとする聴覚障害者は「きこえない・きこえにくい」身体的特徴を持っています。
今回は、聴覚障害者とのコミュニケーションのノウハウを教えません。
私一人のエピソードを共有したいと思います。
聴覚障害者は私のような人ばかりではありませんが参考になるはずです。
あなたに尋ねたいことがあります。
「聴覚障害者」が「きこえるように努力すること」は、当然のことでしょうか?私はろう者です。
かつて、私はきこえるように努力していました。
私は、難聴者として学生時代を過ごしました。
はじめは地域の普通小学校では残存聴力をもとに補聴器を活用していました。
そして、後からろう学校に転校しました。
途中で私の両耳は完全に失聴しました。
しかし、それでも「きこえるようにする努力」を聴者の先生たちから求められ、段々、精神は追い詰められました。
その結果、重い精神障害を負いました。
18歳から24歳まで、死にたいと思う毎日でした。
しかし今になって過去を振り返って、こう疑問に感じるのです。
「どうしてきこえるように、頑張っていたのか?」聴者のなかには、聴覚障害者は聴者のように「きこえるように話し、きこえること」を無意識に「当然では?」と思っているかもしれません。
「なぜ、きこえない人なのにきこえるようにする努力っておかしくない?」という疑問を少しでも持っていただきたいです。
その疑問に対し、立ち止まり、考えることで、聴覚障害者に対する理解が深まると思います。
本書はそうした気づきのきっかけになれたらと思います。




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