「奨学金」地獄(小学館新書)
知らずにはすまされない奨学金の実態。
今や大学生の2人に1人は奨学金利用者です。
その背景には、格差や貧困の拡大で親の経済的援助を受けられない学生の急増と、学費の高騰があります。
国立大学の年間授業料は、1971年が1万2000円だったのに対し、昨年度は約54万円、初年度納付金は80万円を超えます。
多くの学生は奨学金を借り、生活のためにバイトに明け暮れ、そして数百万円の借金(奨学金)を抱えて卒業するのです。
しかし、今は3人に1人は非正規雇用という時代です。
生活するのさえ苦しく、奨学金を返したくても返せない人が増えています。
一方、2004年に日本育英会から変わった日本学生支援機構の奨学金制度は、金融事業になってしまいました。
返済が3ヶ月滞ると金融機関の「ブラックリスト」に入ります。
4ヶ月滞納で「サービサー」と呼ばれる債権回収会社の回収が始まり、9ヶ月で裁判所を通じた支払督促がきます。
中高年の人の記憶にある、育英会時代ののどかな奨学金とは別物なのです。
本書は、返済苦にもがいている人の実例をもとに、今の奨学金制度が抱えている問題点、返済に困った時の救済手段などを、長年この問題に取り組んできた弁護士である著者が詳細に解説します。
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