本書は知られざる歴史的壮挙というべき大旅行・岩倉使節団の物語である。<br />明治4年11月、廃藩置県からわずか4カ月後、明治新政府は岩倉具視率いる使節団を欧米諸国に派遣した。<br />従うは大久保利通、木戸孝允、伊藤博文ら維新革命の立役者たち。<br />幕末に条約を結んだ米欧12カ国へ、1年9カ月余りにも及ぶグランドツアーである。<br />それは、黒船に象徴される西洋列強の圧倒的なパワーに対する、「誇り高き日本人」の華麗なるチャレンジであった。<br />