自死遺族として生きる
実行した人にとっては最善で唯一の選択だったとしても、その死によって終結するものはごくわずかで、実際には死から始まっていくことのほうがはるかに大きい。
のこされた人は、深い悲しみと終わりがない問いの前に立たされる。
自死は、その人と関わりがあった周辺の人たちの人生に多大な変化を生じさせていく。
「死」は、始まりである。
愛する人を失った場合、その直後の苦しみは時間の経過によって変化していくのだろうか。
本書は、胸底の奥深くにしまい込まれて表層に現れにくい、表現することがためらわれる深い悲しみとともに生きる人たちの軌跡を、その証言を中心にまとめる。
死別による悲しみは、個人の生き方を根底から覆してしまう体験だが、社会のなかにある偏見や差別を感じながらも、どのように「きょう」を生きて死別という不条理を抱えながら「生」を紡いでいるのか――。
いま/このとき、その悲しみとともに日々を送っている自死遺族の証言の記録である。
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