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ケアと家族愛を問う

日本では、女性が育児・親の介護などのケアを担うことが望ましいと見なされている。
しかし、人々のライフコースは個人化・多様化し、女性の就労は今後も増え続けるだろう。
こうした社会的な状況のなかで、子育てや高齢者介護などのケアを誰がどのように担っていくのかは大きな課題である。
近代家族化と脱近代家族化のプロセスは異なるものの、女性労働力率が高いという共通点をもつデンマーク・中国と日本とをインタビューやアンケートをもとに分析して比較する。
それらを通して、日本のケアネットワークと愛情規範の特徴を明らかにし、ケアと愛情が強く結び付いて性別役割分業を根強く残存させていることを浮き彫りにする。
そして、個々人のwellbeingを保障し、ケアする側の権利とケアされる側の権利を尊重しながら親密な関係性を築くことを可能にする家族と社会的ネットワークのあり方や、そのような関係性を形成し持続していくための要件を、脱家族化の視点から模索する。




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