日記をつけることで〈幸福〉を楔で心に打ち付ける女。<br />17年間、帽子とマスクで顔を覆い商店街の中だけで暮らす女。<br />夫の浮気相手である図書館司書を日々監視する女。<br />理想の家庭を夢見ながら妻に家出された男……。<br />穏やかで静かな街に暮らす人々の〈不安〉はやがて、「ある人々の存在」に向けられてゆく。<br />彼ら/彼女らはいったい何者なのか――。<br />