渡部先生、日本人にとって天皇はどういう存在ですか?
保守派の論客として知られる英文学者・渡部昇一氏と、前駐日ドイツ大使で、日本の文化や政治をよく知るフォルカー・シュタンツェル氏。
日独の‘知の巨人’が退位、国体、神話、憲法について白熱した議論をかわす! 2017年4月に亡くなった渡部氏、最晩年の対談。
「退位できないとするならば、天皇の人権はどうなるのでしょうか」(シュタンツェル)「天皇に人権なんて言っちゃいけない。
天皇はカミなんです」(渡部)「退位は時代の要請であり、その立場にある方の希望に沿う形で答えが出されることが最良では」(シュタンツェル)「それは100年後、200年後に日本に内乱を起こす元になる考えです」(渡部)また、第2部ではシュタンツェル氏がドイツ人向けに書いた天皇に関する論考『時を超えて 二十一世紀の天皇』を翻訳して収録。
日本をよく知る外国人の立場から、天皇制について鋭い分析と今後の予測を展開。
これからの天皇制のあり方について考える一助となる一冊。
〈目次より〉第1部 渡部昇一 フォルカー・シュタンツェル 対談1 日本には神話の力が生きている2 世界に例のない万世一系の存在3 天皇の力は俗世の権力とは別次元4 歴史の転換点で果たされる天皇の役割5 新しい時代の天皇の在位・退位の考え方第2部 『時を超えて 二十一世紀の天皇』フォルカー・シュタンツェル1 天皇とトーテム2 政治概念としての「天皇」3 国家神道を支える天皇4 魔術的力の喪失 ―「人間」性の回復に向けて5 民主主義の象徴か、日本例外主義の象徴か6 天皇明仁のもとでの変化7 二十一世紀の天皇 陳腐化と再定義
更新中です。しばらくお待ちください。