嘘だらけの私。<br />隙あらば自慢する私。<br />怒ってばかりの私。<br />己の内面に目を向けたとき見えてくるのは、そんな醜い私ばかり。<br />でも、そんな「私」というものは、そもそも存在しないのです――その真理に至った著者は、仕事を捨て、住所を捨て、外界との連絡を絶ち、二五〇〇年前のインドの修行僧と同じ、野宿の瞑想生活に旅立った。<br />すべての煩悩を滅却した究極の悟り、すなわち「解脱」を目指して。<br />10年以上におよぶ修行の日々から得た気づきと、さらに深い修行に入る覚悟を記した、「小池龍之介」最後の書。<br />