マーシャル、父の戦場 ある日本兵の日記をめぐる歴史実践
南洋の孤島で餓死した日本兵が死の前日まで綴っていた日記。
〈想像力〉を駆使して戦地の死に迫る。
戦時中、南洋のマーシャル諸島では多くの日本兵が餓死した。
そのひとり、佐藤冨五郎が死ぬ直前まで綴った日記と遺書は、戦友の手を経て息子のもとへ渡り、73年の時を超えて解読されることになる。
そこには、住み慣れない島での生活、補給路が絶たれるなかでの懸命の自給自足、そして祖国で待つ家族への思いが描かれ、混乱と葛藤のなか、死へと向かう約2年間が精緻に記されていた。
〈70年以上前に・南洋で・餓死した〉日本人といまをつなぐ、〈想像力〉の歴史社会学。
【著者】大川史織1988年神奈川県生まれ。
映画監督。
慶應義塾大学法学部政治学科卒。
マーシャル諸島共和国の日系企業で働きながら、人びとのオーラル・ヒストリーを映像で記録。
マーシャル諸島で戦死(餓死)した父を持つ息子の慰霊の旅に同行したドキュメンタリー映画『タリナイ』(2018年)で初監督。
編著書に『マーシャル、父の戦場―ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』(みずき書林、2018年)。
両作品で山本美香記念国際ジャーナリスト賞・奨励賞受賞。
国立公文書館アジア歴史資料センター調査員(非常勤職員)。
更新中です。しばらくお待ちください。