せいいっぱいの悪口
詩人・堀静香による、生活の記録。
ほかの誰でもないわたしが今生きていることの、まるごとすべて。
今日生きていることも、昨日生きていたことも全部本当。
明日生きたいことも本当。
今がすべてで、いやそんなはずはない。
適当で怠惰であなたが好きで、自分がずっと許せない。
事故が怖い。
病気が怖い。
何が起こるか分からないから五年後が怖い。
二十年後はもっと怖い。
今がずっといい。
でも今が信じられない。
なのに、今しかない。
晴れていて、風が強くて、花粉がすごい。
くしゃみが出る。
(本文より)【目次】せいいっぱいの悪口みんな魚さわやかなかぜ愛も希望もタクトを折るいきすぎた夜日記 二〇一九年一〇月八日〜一〇月一七日はみだしながら生きてゆく走馬灯の日々オールドファッションと鶏皮マンボウの下半身日記 二〇二一年九月一〇日〜九月二〇日だれのこともスーと夫豆を拾う春がきらい日記 二〇二二年三月二日〜三月三一日躑躅のマゼンタ、伊勢エビの赤あーちゃんもあとがき【著者】堀静香1989年神奈川県生まれ。
山口県在住。
歌人集団「かばん」所属。
中高非常勤講師のかたわらエッセイや短歌をものする。
著書にZINE『せいいっぱいの悪口』(2019)、ほか晶文社スクラップブック「うちにはひとりのムーミンがいる」連載(2020〜2022)。
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