柳宗悦 ──美の菩薩
なぜ美しいものを作ろうとも思っていない名もなき工人が、時として驚くべき美を生み出すのか。
その理由を解き明かそうとした柳は、『無量寿経』にある「すべてが美しい世界をつくる」という阿弥陀仏の誓いに出会い、はたと気づく。
ものの美しさは、この宗教的救済によってもたらされていたのだと。
そして、美しいもの=救われたものを日本民藝館に陳列し、人もものも、すべてが救われる「浄土」が現に存在することを、人々に伝えようとした。
阿弥陀仏の本願と美を結びつけ、仏教の再構築を構想した柳宗悦。
この稀有な思想家の核心に迫った著者初期の代表作を、増補して文庫化。
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