ソウラヴァ(首飾り)とムワリ(腕輪)をそれぞれ逆方向に贈与していく不思議な交易「クラ」。<br />「未開社会の経済人」は、浅ましい利得の動機に衝き動かされる存在なのか? 物々交換とは異なる原理がクラを駆動する。<br />クラ交易は、魔術であり、芸術であり、人生の冒険なのだ。<br />人類学の金字塔が示唆する「贈与する人」の知恵を探求する。<br />(解説・中沢新一)