なぜ国民は飛行機に夢を託し、人、金、物を提供したのか――。<br />貧しい人びとの出世の手段としての航空兵。<br />国民一人一人がお金を出しあって飛行機をつくる軍用機献納運動。<br />防空演習ですり込まれる空襲の恐怖と、空中国防の必要性。<br />学校、親への「説得」を通して行われる未成年の航空兵「志願」……。<br />日本軍=大艦巨砲主義という通説をくつがえし、総力戦の象徴としての飛行機に焦点をあて、戦前、戦中の現実を描く。<br />