「植物状態患者」は自分自身や周囲の環境を認識できず、他者と関係することが不可能だと定義されている。<br />しかし実際に彼らと接する看護師や医師の多くは、この定義では理解できない「患者の力」を目の当たりにする。<br />自然科学は彼らを「意識障害」としか診断できない。<br />そこで著者は現象学という哲学を使って、その〈何か〉を探究し始める。<br />