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免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか

●刊行趣旨体を守るシステムの中で、病原微生物を排除する免疫系はもっとも重要なシステムだ。
抗原(ウイルス)が侵入すると、T細胞がそれを察知して免疫機構によってウイルスを排除し感染を防ぐ。
これが免疫応答だ。
ところが、正常な自己の組織には反応しない(免疫自己寛容)が一方ではたらく。
これが破たんすると、リンパ球が自己抗原に反応して、関節リウマチ、多発性硬化症、甲状腺炎、バセドウ病などの自己免疫疾患を引き起こす。
じつはこの免疫寛容、つまり自己を攻撃しないようにはたらく免疫細胞こそが、著者が発見した制御性T細胞だ。
この制御性T細胞を取り除くと、免疫系は自己の攻撃に転ずる。
制御性T細胞をコントロールすることで、自己免疫疾患、さらにはがんへの治療も可能になるという。
さらに、免疫抑制剤・増強剤の創薬、治療にも役立つという。
非常に複雑な免疫の世界を、制御性T細胞のメカニズムから解き明かしつつ、いままでの治療法を覆す免疫療法への応用を解説する。
●著者紹介さかぐち・しもん1976年京都大学医学部卒業。
81年同医学部付属病院医院。
83年同医学部博士を取得。
83年米国ジョンズ・ホプキンス大学客員研究員。
87年米国スタンフォード大学客員研究員。
91年カリフォルニア大学サンディエゴ校助教授。
92年新技術事業団『さきがけ21計画』専任研究員。
94年東京都老人総合研究所免疫病理部門長。
99年京都大学再生医科学研究所教授。
2007年同再生医科学研究所長。
2011年から大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授。
過剰な免疫反応を抑える制御性T細胞の発見と免疫疾患における意義を解明。
研究のテーマは、免疫応答の制御と治療への応用。
紫綬褒章、朝日賞、ガードナー国際賞(2015年)受賞。




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