中国の歴史
日本にとって、長く圧倒的な超大国であり続けた中国の歴史から、何を学ぶか。
6人の研究者が論じる、シリーズ最終巻。
第一章 大自然に立ち向かって(尾形勇)…北と南、黄土・砂漠・湖沼など、大きく異なる多様な風土と、人口の変遷から歴史の舞台を見つめ直し、中国史の特質を整理・考察する。
第二章 中国文明論(鶴間和幸)…いくつもの「小さな中国」が競合し、「大きな中国」が形成された。
食、言葉、服飾などの諸相からみる「多元一体の中華」「アジアの中の中国文明」。
第三章 中国人の歴史意識(上田信)…漢族が子どもに最初に教える秩序とは。
祖先をめぐるチベット族のタブーとは。
歴史をさかのぼることで「中国人」として育つ文化のシステム。
第四章 世界史の中の中国(葛剣雄・大川裕子訳)…清朝末期、外部からの圧力に押され、中国は「幻想の天下観」から「現実の世界観」へと転換した。
復旦大学歴史学教授が特別寄稿。
第五章 中国史の中の日本(王勇)…『漢書』に現れる倭人から、遣唐使の墓誌、明代の倭寇、近代化の手本としての日本まで、豊富な史料から「中国史の内なる日本」光を当てる。
第六章 日本にとって中国とは何か(礪波護)…朝貢と畏敬、憧憬と模範、先進と親愛、対等と侮蔑――。
常に正負がないまぜとなってきた日本人の中国観を、時間軸に沿って描く。
〔原本:2005年10月、講談社刊〕
更新中です。しばらくお待ちください。