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生きる意味を求めて

生まれてから70年を越える長い年月を生きてきた。
もう少し先はあるかもしれないが、ほぼ自分の人生というものがどういうものであったかが定まったともいえ、堀田善衛の「モンテーニュのエセー」に触発されて、2015年12月8日から記憶にあるものや資料をもとにまとめて書き留めておきたいと思った。
時間に沿って我が身に生じてきた履歴を縦軸に、その時々に心に浮かんだ事ごとを横軸に記したが、時間が前後することもあり、これまでに文書になっているものも入れておこうと思ってあれやこれやを入れ過ぎたきらいもあり、そのせいか内容が重複するところもあるが、なんらかの意味ですべてわたしと関係あるものである。
未知、謎、秘密の世界に対してそれを拓いてみたい明らかにしたいというのは多くの人が考えることであるが、わたしも科学的なもの、宗教的なものを明らかにしたいと思い、知らず知らずのうちに挑戦し努力してきた。
科学の世界の広がりに限りはないが、その原理に属する部分のいくつかは把握できたし、キリスト教と仏教の姿はわたしなりに見通せたようになったと思う。
そういう意味で学生時代にあった未知、謎の世界のかなりの部分はわたしなりに明らかとなった。
それまではどことなく心の奥に焦燥感があったが、それからはほーっと心が穏やかになった。
イスラエル旅行から帰ったときに、これからは永遠なものにのみかかわって生きていきたいと思ったが、以降はそういう傾向はあった。
定年後は新たな出会いはほとんどなくなり、亡くなった人々を思い出すことが多くなり、付き合いは古くからの友人だけとなった。
昔日のできごとを思い出していると、一瞬自分が一体どこにいるのか分からなくなりクラクラするように感じることがある。
それほど現実の事柄が薄くなったのかもしれない。




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