一度きりの大泉の話
12万字書き下ろし。
未発表スケッチ多数収録。
出会いと別れの’大泉時代’を、現在の心境もこめて綴った70年代回想録。
「ちょっと暗めの部分もあるお話 ―― 日記というか記録です。
人生にはいろんな出会いがあります。
これは私の出会った方との交友が失われた人間関係失敗談です」――私は一切を忘れて考えないようにしてきました。
考えると苦しいし、眠れず食べられず目が見えず、体調不良になるからです。
忘れれば呼吸ができました。
体を動かし仕事もできました。
前に進めました。
これはプライベートなことなので、いろいろ聞かれたくなくて、私は田舎に引っ越した本当の理由については、編集者に対しても、友人に対しても、誰に対しても、ずっと沈黙をしてきました。
ただ忘れてコツコツと仕事を続けました。
そして年月が過ぎました。
静かに過ぎるはずでした。
しかし今回は、その当時の大泉のこと、ずっと沈黙していた理由や、お別れした経緯などを初めてお話しようと思います。
(「前書き」より)
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