一隅を照らす
小学生のころは、綴り方教室は好きではなかった。
ただ、実に細々となんの変哲もない日常生活を描写して、七人の姉兄貴たち手紙を出すと、彼らは喜んで読んでくれて、ひどく重宝がられたものだった。
八十六歳を超えて生まれて初めて入院した二ヵ月のベッド生活で、毎日一つずつ随想を書きはじめた。
家のこと、近所のこと、過ぎ去りし日のこと、社会のこと……。
思索は拡がり、言葉として形をなし、現れる。
世界の片隅から広い世の中に「思い」を馳せては書きつづけ、みずみずしい感性で「日常」を切りとった随筆集。
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