「丸太が歩いてくるのかと思った」という母のひとことから始まった「主食のご飯は110グラムでなくてはいけない」という食のルールにかんじがらめになっていく「私」を描く表題作、女性医師への慕情と葛藤を綴る「境界線」、母と高齢者向け施設見学に行った顛末記「肝心な話」、犬好きの前で『犬が苦手』と言えずに苦悩する「犬の話」など。<br />