冬の日の薄日のように、旅人の凍える心を温める――君たちには、そんな人になって欲しい。<br />授業、行事、部活動。<br />生徒に教え、教えられた四十年間。<br />出会いの数だけ成長できた、その感謝とエールを込めて綴られる国語教師の回顧録。<br />「先生、その応援はやめようよ。<br />かわいそうだよ」その一言で、私は、はっと我に返る思いがした。<br />クラスの生徒たちが求めているものは、私が欲していたものよりもはるかに純粋で、気高いものであることに気づいたからである。<br />(本文より)