女なら誰しもがもっているんじゃないかしら、そういう堕ちてみたいといった感情を――。<br />『東電OL殺人事件』に自らを投影した女たちの肉声、赤裸に語られた事柄は胸が潰れるほどの真摯な性だった。<br />「逆転有罪」で迷走を続ける法廷、新たに起きる事件。<br />死してなお強い磁力を発するエリートOLの眼差しが、日本社会の闇までをも浮き彫りにする。<br />もはや瞠目するしかない、渾身のルポ。<br />