目はよわり、記憶はおとろえ、蔵書は家を圧迫する。<br />でも実は、老人読書はわるいことばかりではないよ――。<br />鶴見俊輔、幸田文、須賀敦子……。<br />長い歳月をたずさえて読む本は、豊かで新鮮なよろこびに満ちている。<br />親しい仲間や敬愛する先達との別れを経験しながら、それでも本と出会い続けよう。<br />本を読み、つくり、書いてきた読書人が、その楽しみを軽やかに綴る現状報告。<br />読売文学賞受賞作!(解説・鈴木敏夫)