日本には私小説と呼ばれる小説の方法がある。<br />それなら「私解説」というのもあっていいのではないか――。<br />二十五歳の家出と五十一歳の出家が、私の生涯の最も大きな「事件」であった。<br />自分の出家の原因を問うことが、出家以後の私の作家としての仕事であったのだ。<br />自身の小説を読み解き、創作の秘話を交えて綴る自伝的エッセイ。<br />