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クリスパー CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見

ノーベル化学賞受賞の科学者、唯一の手記ゲノム情報を意のままに編集できる「CRISPR-Cas9」。
人類は種の進化さえ操るに至った。
科学者自ら問う、科学の責任とは。
「君の技術を説明してほしい」ヒトラーは私にこうたずねた。
その顔は豚である。
――恐怖にかられて目が覚める 。
ヒトゲノムを構成する32億文字のなかから、たった一文字の誤りを探し出し、修正するという離れ業ができる、その技術CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)。
2012年にその画期的遺伝子編集技術を「サイエンス」誌に発表したジェニファー・ダウドナ博士は、またたく間に自分の開発した技術が、遺伝病の治療のみならず、マンモスを含む絶滅動物の復活プロジェクト、農作物の改良など燎原の火のように使われていく様におののく。
豚の内臓を「ヒト化」し、臓器移植するための実験も行なわれた。
人間は自らの種の遺伝子までも「編集」し、進化を操るところまで行ってしまうのか?解説・須田桃子(毎日新聞科学環境部記者)※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。




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