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明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と『坂の上の雲』の時代

高橋是清、新渡戸稲造、金子堅太郎、團琢磨、小村寿太郎、秋山真之――明治の「日米同盟」をつくった男たちの秘史に迫る明治日本といえば、憲法を学んだドイツや日英同盟を結んだイギリスなど欧州に光が当たることが多い。
だが、日本の運命を決定したのは日米関係であり、その集大成が、日露戦争であったと著者は主張する。
開国直後に密航など危険を犯して渡米した第一世代。
同志社をつくった新島襄、のちに日本の財政を一手になう高橋是清、初代日銀総裁として金融機関の整備にあたった吉原重俊などをとり上げる。
学費が安いことから次々と優秀な若者が派遣された第二世代。
当時最先端だったロースクールを選んだ二人の青年。
同じ下宿先からハーバード大に通った小村寿太郎と金子堅太郎は、ともにポーツマス条約締結のため活躍する。
イエール大で学び、のちにアメリカで教職についた朝河貫一は、ポーツマス条約におけるロシアとの講和案作成に関与、マサチューセッツ工科大で冶金学を学んだ團琢磨は、卒業生を巻き込んだ親日世論工作を行う。
日露戦争で日本海軍を指揮した秋山真之もまた、アメリカ留学生の一人だった。
日露戦争終戦後、両国関係は悪化、留学生たちの運命も変わっていく。
長命だった金子は反米主義者に、日米親善に尽力した團は血盟団によって暗殺された。
日本の国際的孤立を決定づけた外相・松岡洋右(オレゴン大)、は、誰よりもアメリカを知ると豪語するが、最も大きく読み間違えた。
そして、運命の真珠湾攻撃の総指揮を執ったのは、ハーバード留学生の山本五十六であった――丁寧な現地取材から浮かび上がる日米関係秘史。




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