デジタル脳化する人類 21世紀の壁――AI時代の生き残り戦略
今、押し寄せつつある波は巨大です。
これまでに私たち人類が経験してきたどの波よりも大きいと予想されます。
この波を乗り切る方法が二つあると思います。
一つめは、言うまでもなく、山のテッペンに登ることです。
しかし、中途半端な山のテッペンではダメだと思うのです。
今までに人類が遭遇したこともないほどの超巨大な波なのですから、ありきたりな山ではのみ込まれてしまうでしょう。
かなりの標高の山でなければ、ダメだと思うのです。
それは、おそらく数万人に一人というくらいのレベルであるのではないでしょうか。
スポーツ選手で言えば、イチロークラスです。
数万人に一人であるくらいに知能の秀でた人とか、金メダルクラスの体力の持ち主とか、それくらいに凄まじい努力のできる人とか、特別に洞察力や発想力などに優れている人ということです。
そのくらいのレベルでなければ、人工知能が巻き起こすこの巨大波は乗り切れないと思うのです。
もちろん、私が言うのは極端であると感じる人も多いでしょう。
山の高さに異論はあるにしても、山のテッペンに位置する人々が有利であることは、私がいちいち説明しなくても分かることだと思います。
だとするならば、高い山、低い山、いずれの場合にしろ、山に登れない大多数の普通の人々はアキラメてしまうしかないことになります。
資産も地位もなく特別の能力もない私などは、完全にお手上げ状態です。
覚悟を決めるしかなさそうです。
けれども、私は、私のような底辺の人間にも、いや、私のように何の武器も持っていない人間にこそ、巨大波を乗り切る方策があると考えているのです。
それは、みんなの殺到するような山には、はじめから登ろうとしないことです。
中途半端な山などには登ろうとしないで、むしろ、そこから離れた方がいいと思うのです。
それも、思いっきり遠くのところまで……。
これからやってくるAI時代には、デジタル脳化した人々は無価値な存在になってしまう。
そうならないためには、どうしたらよいのか?デジタルになるのではなく、人間くさくなることだと、著者は説く。
(※本書は2019/5/22に青山ライフ出版株式会社より発売された書籍を電子化したものです)
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