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水を光に変えた男 動く経営者、福沢桃介

電力王と呼ばれた明治・大正期の実業家、福沢桃介。
埼玉の貧農の次男として生まれた桃介は金持ちになることを夢見て慶應義塾に通い、福沢諭吉の娘婿となる。
念願の米国留学も果たし、一流企業に就職、すべては順調にいくかと思いきや、行く手を病魔が立ちふさぎ、長期入院を与儀なくされる。
ところが病床で株を覚え、大金持ちになる。
その金を元手に自分の会社をつくるものの、義父である諭吉の裏切りに遭い、会社を畳む。
そこから一転、相場の世界にはまり、兜町の風雲児となるが、相場師という虚業に嫌気がさし、電力事業という実業に目覚める。
弟分の松永安左エ門、日本最初の世界的女優、川上貞というパートナーの助けも借り、木曾川に東洋一のダムを築く。
桃介は直感や感性の人で、物事を論理からのみ考えない。
「二と二が合わさって四になるんじゃない、時には五にもゼロにもなるんだ」と言うのが口癖。
水力発電を主戦場と決めたのも、事業の将来性はもちろんだが、生き物を殺さず、土や岩を苛め抜くだけで済む、という理由からであった。
本書は、桃介の稀代の事業家、イノベーターとしての機略縦横の活躍ぶりにスポットをあて、その生涯を描く。




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