アドバイザーが教える M&Aで知っておくべき新常識
M&Aの専門家には「両手仲介会社」と「片側アドバイザー」がいます。
シンプルに言えば、両手仲介会社は売り手・買い手からの「両手取り」をする「仲介者(ブローカー)」、片側アドバイザーは売り手・買い手どちらかから「片手取り」となる「助言者(アドバイザー)」です。
近年のM&A業界において、「両手仲介会社」による問題は深刻であると、筆者は指摘します。
売り手と買い手の双方と契約し、両者から手数料を受領するのが両手仲介会社です。
売り手は「少しでも高く売りたい」、と同時に買い手は「少しでも安く買いたい」と考えるのは、M&Aにおいて極めて自然なことです。
しかしながら、その両者の味方をしようというのが両手仲介会社です。
これには構造上の無理があり、「利益相反行為」だと言われても仕方がないケースも見受けられ、ここ数年はその弊害が目に余ることもあると筆者は語ります。
本書は、最近よく出版されるような事業承継や、中小企業M&Aに限定したノウハウ本ではありません。
専門家の視点で、近年のM&Aについて知っておくべきことを、網羅的に記しています。
そのため、世間の注目を浴びた事例を紹介するとともに、急速に存在感を高めている「投資ファンド」についても詳しく触れました。
M&Aを検討する時、専門家の協力を仰ぐにせよ、事業承継を行おうとしている企業オーナーや、M&Aについての理解が十分ではない一般のビジネスパーソンにとって、必要な知識や理論武装をするために一助となり、示唆に富む一冊です。
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