近代日本の出発点である明治維新を,幕府,朝廷,各藩の武士たちや民衆の動き,さらに対外的要因なども含めトータルに描く,戦後歴史学における記念碑的著作.維新の始発を天保の改革(1841年),その終わりを西南戦争(1877年)と捉え,民衆の手になる政治的萌芽がつぶされ,絶対主義確立へと至る過程を明快に論じた.(解説=大日方純夫)