福島原発事故から一〇年余り,政府・東電は「四〇年廃炉」に向け着実に進行中と言うが,そもそも事故炉の廃炉とは何をすることで,一体それは可能なのか.スリーマイルやチェルノブイリの例も参照しながら論点を提示する.あわせて,大量廃炉時代に突入した今,老朽原発を含めた原発廃炉のもつ人類史的重要性を指摘する.