宮内庁職員の降旗から、海外で新たに起ち上げる発掘派遣事務所への移籍を打診された無量は、迷いながらも群馬の発掘現場へ赴いた。学術調査が目的だが、依頼人は無量の〈鬼の手〉に期待し、わざわざ指名してきたのだという。発掘現場である、榛名山の噴火で埋もれた集落遺構からは、徳川埋蔵金と思しき千両箱が出土し、大騒ぎに。なんと中には古墳時代の埴輪が入っており、マスコミも取材に押し寄せる。しかし無量は、宝を前にしても全く反応しない自身の右手に強い不安を覚えていた。これほどのものが埋まっているというのに、右手は全く熱くならなかったのだ。能力を失った自分は、いったい何者なのか――。しかも無量を狙う民間軍事会社GRMの動きも怪しく……!?日本中を発掘する大人気ミステリ、待望の第15弾!