病に冒された少女が過去に戻って恋人に伝えたかったこととは? 優しくて少し不思議な感動の純愛ストーリー!村上ひまり、高校二年生。陸上部のエースで走ることが大好きなひまりは、部活のランニング中にかかせないとある楽しみがあった。それは、コースの途中にある弓道部の道場を覗いて、お隣さんで幼馴染、そして恋人でもある森恭介を眺めること。しかしある日ひまりは部活中に手足のしびれを感じ、倒れてしまう。病院で検査を受けたひまりは、そこで「脳腫瘍」という病を伝えられる。余命一年。恭介を悲しませたくないひまりは病気のことを隠して別れを切り出すが、恭介は絶対に嫌だと拒否。二人は平行線のまま、ひまりの寿命は刻一刻と近づいていき……。遺してしまう優しい恋人のために、少女は祈る。「どうか――私が死んだあとも、恭介が幸せでいられますように」そうして、ひまりに訪れた不思議な時間とは――。一色 舞(いっしきまい):神奈川県在住。著書に『エリクサーの泉の水を飲んで育った村人』、『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』、『緑王の盾と真冬の国』(以上ぷにちゃん名義)など。ふすい:イラストレーター。『青くて痛くて脆い』、『あなたの未練、お聴きします。』など書籍の装画を多数手がける。