背負った蝶翅は、自由と憎しみのエンブレム。シュウ×サガン×リリア、ヤバい3人、ヤバい事件に落とし前。ディストピアで繰り広げられるSFハードボイルドアクション! 巨大隕石の落下で世界の8割以上が砂漠と化したのは、気の遠くなるような昔のこと。空には二つに割れた月が浮かび、地上には全長10メートルの怪物ザント・ワームが棲みつく。自動飛行バイク《グライド・ロード》を駆るシュウが、愛用の対物ライフルMc-M88Rの照準をザント・ワームにロックする。怪物の駆除はまとまった金を手に入れるための危ないビジネスだ。シュウは元軍人。陽気な顔を装っているが、麻薬王ケイメイを父に持ったおかげで様々な暗い過去を背負っている。相棒のサガンは冷静かつ腕は立つが笑って毒を吐くドSタイプ。機械いじりが得意な両義手の女ピアニスト、リリアは一番の稼ぎ頭だが無類のドケチ。危険なサイドビジネスを請け負いながら、3人は町外れにあるスラム街で《Papilio》という喫茶店兼Barを経営していた。意に反してトラブルを抱え込む運命のシュウは、ある日自分をパパと呼び抱きついてきた少女ラナに出会う。それからはラナに振り回される毎日になってしまうが、ラナはある目的を持ってシュウに近づいたのだった。それはシュウにとって、まさに死活を意味する仰天の目的だった…。