「……馬鹿か、おまえは」「自分でもそう想いますが……好きになってしまったものは仕方ない」虎王アーリレディンの寵妃ジュダルは、後宮の庭で薄い本を拾う。これは、虎王の側近ドライド・ナジャブと、王室特別顧問ワン・シーハンのある愛の物語――。虎王アーリレディンの寵妃ジュダル・イスハークは、後宮の奥庭で一冊の「薄い本」を拾う。書き人知らずとある本のタイトルは『虎王一の側近ドライド・ナジャブと王室特別顧問ワン・シーハンの真実の愛』。そこには想像を超える世界が広がっていた――。天亀界から遣わされたワン・シーハン、その人は溜息をつくほどに美しく、しかし瞳は空っぽだった。物を見るような目で見られ苛立ちをおぼえるドライド。けれどやがて、ワン・シーハンを巡る不穏な噂を聞きつけ……『虎王の秘め事〜天虎界綺譚〜』番外編! 本編キャララフを特別収録。