伯爵令嬢ジュディスと彼女の兄の友人クリスチャンは、子供のころから共に過ごす時間を重ね、やがて互いに恋心を抱き合うようになった。しかしジュディスの父が起こしたある事件により、伯爵家は没落する。なにより彼女にとって辛かったのは、裁判の証言台に立ったクリスチャンが、結果的に父と兄を窮地においやってしまったことだった。保護者を失い、ジュディスと弟妹は懸命に生きてきた。彼女は、おじにあずけている妹のひとりカミラが社交界デビューを果たせるよう持参金を送ろうとしたが、消息がつかめないことを知る。妹が心配でならないジュディスは、ためらいながらも8年間音信不通にしていたクリスチャンに助けを求めた。ずっとジュディスを愛し続けていた彼は……。RITA賞受賞シリーズ第一作、心ふるえる献身的な愛の物語。