【書籍説明】荒野を駆ける賞金稼ぎの主人公、アルフィーが出会ったのは1人ぼっちの女の子。彼女と共に星のきらめく常夜の世界で繰り広げる冒険ファンタジーの第二巻です。荒野を走るサイドカー付きのオレンジ色のバイク。乾いた風がアルフィーの髪をなびかせます。女の子の長い髪もゆらゆら。この星と天害と荒野だらけの常夜の世界を、低い音をたてながら二人を乗せたバイクは進むのです。不思議な女の子、シャナ。お母さんを失い旅をして来たといいますが、まだまだその素性は謎だらけです。なぜ彼女のお兄さんは『いなくなった』のか、そしてお母さんを殺したという悪い奴とは?サボテンだらけの荒野をバイクは風を切って進んで行きます。「あんまり身を乗り出すんじゃないぞ」サイドカーであたりをきょろきょろ見渡すシャナ。上半身を乗り出して、あっちを見たりこっちを見たりと大忙し。歩いて旅をしていた時とはまた違った景色に大興奮のようです。「あれ、シャナのいた町か?」「ああ、そうだ」後ろを振り返って、シャナはキルローグの町をじっと眺めます。何か思うところがあるかのような表情です。でもそれも一瞬の事。赤色の花を付けたサボテンが視界に入った瞬間に、すっかりそちらに気を取られてしまったようでした。「おお!シャナ、知ってるぞ!あれ、食えるのだ!すっぱいけどな!」そんな様子を見て笑うアルフィー。風が冷たかったのかシャナは、くちゅん!と小さなくしゃみをしました。「ははは。風邪ひくなよ」「ひげおやじもな!」二人の旅は始まったばかりです!(第一巻より)【著者紹介】銀河忍(ギンガシノブ)児童書作家。イラスト作家。子どもの頃からファンタジーが大好きで、少年少女に向けた物語を中心に児童向けの小説やその小説にちなんだ挿絵を描いている。「大人でも子どもの心を忘れずに楽しめる作品を広めていきたい」という想いから、主にファンタジーを手がける児童書作家として活動中。デビュー作は「Noir Grand Guignol 第一幕 終焉の調べ」2019年まんがびと刊行