この胸に芽生えた’好き’は、きっと応えてはもらえない……。牧師の父と古風な母に育てられたレティシアは、初めての恋に破れて以来、男性には心を開けなくなっていた。そんなときに出会ったのが、知人宅に滞在しているヤソンだった。35歳のオランダ人医師はとても背が高く、ハンサムで、警戒心をあらわにするレティシアに優しく言った。「いつの日か、きみは誰かを好きになる。そしてその誰かは、きみが世界でいちばんきれいだと気づくんだ」事情を知る彼の、なぐさめの言葉でしかないことはわかっていても、レティシアはしだいにヤソンに惹かれていくのを感じた。夏の恋のはじまり――それは、眠れない夜のはじまりでもあった。■《ベティ・ニールズ・コレクション》より、HQイマージュの2300号記念を飾った貴重な作品をお贈りします。事故で足首を怪我したレティシアは、知人宅に運び込まれる際、ヤソンに抱き上げられて緊張します。重くないかしらと恥じらう乙女心はやがて恋心に……。