’親愛なる読者諸君、人生とは、単調な出来事の連続である。そこには、予想外の出来事というものは存在しない’(クラリムンド・ロッショ) 20世紀初頭のブラジル、南部の州都ポルト・アレグレ。そこは、実に様々な人間が行き交う人生の’十字路’である。そこで生きる誰もが例外なく、各人生の主人公であり、’不平等’に生まれ、’平等’に死んで行く。 僅か5日間の生活の中で、人々は大なり、小なり、その’十字路’で交差する。それは我々、読者も同様に、物語を通して、登場人物、ひいては作者と交差していることに他ならない。 人間愛溢れる作家エリコ・ヴェリッシモによる、’人間シンフォニー’、’人生カリカチュア’が今、幕を切って落とされる。