賄賂
伝説のゲイ雑誌『さぶ』誌で熱筆を揮った幻の作家・江島厚! 月刊ゲイ雑誌・G-men No.241に掲載された、単行本未収載の読み切り小説作品を配信開始!大学内で大きな権力を持つ教授。
彼は水泳部の青年・柳瀬に目をつけた。
柳瀬は水泳部のためにと、部長の懇願に押され、やむなく教授の呼び出しに応じるのだった。
教授の屋敷では、彼の古稀を祝うパーティが行われようとしていた。
柳瀬の鍛え上げられた肉体に注がれる、教授と使いの男の好奇の視線と魔手。
やがて、生贄のように自由を奪われた柳瀬の肉体に、誕生日祝いとばかりに蝋燭が飾られ、その熱い滴りが襲いかかる。
身悶える柳瀬に、教授はこの行為の真意と、秘めた想いを伝えるのだが…。
『俺は再び身をよじる。
と、またもロウが流れ落ちジーンとした痛みが、あらゆるところを責めたてる。
男は黙々とライターの火を飛び火させ、腹全体に既に燃え立つロウソクの群生があった。
もう、どこと推定出来ぬ程、多数のロウソクが熱い涙を垂らし、垂らす度に俺は身もだえする。
もだえればロウが飛びチクチクと肌を焼く、その繰り返し、それがはてしなく続くのだ。
「ウッ、ウウ!」「どうでえ、ものすげえだろ。
七十本のロウソクがお前の肉体を焼いているんだぜ。
若けえお前にゃいささか刺激が強すぎるかい、だがな、とどめはここよ」男は股間に一際高くそびえる聖火台に、火を入れる。
瞬間、俺は身震いした。
タラタラと伝い落ちるロウ。
チッチッと揺らぐ芯。
熱さが体中を駆けめぐり、それはしばしの絶え間もない。
』(本文より)
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