増加する0〜2歳児の保育実務を、子どもの生活・姿をできるだけ広く・正確に取り上げて解説。子ども・子育て支援新制度が施行。0〜2歳児を中心とした保育所利用児童数が増加していることを背景に、保育所保育指針の改定で乳児、1歳以上3歳未満児の保育に関する事柄が大きく盛り込まれた。本書はこれを受け、時代とともに更新される統計,資料などを改訂し刊行。保育所・乳児院・家庭的保育については,多数のイラストで詳しく解説。また,乳児の発達と保育の全体を捉える章を新しく設けた。現代の乳児保育を正しく理解するため,今を生きる子どもの生活・姿をできるだけ広く・正確に取り上げた1冊。【発行・発売/ななみ書房】【目次】第1章 乳児保育の意義・目的と役割 「乳児保育」とはなにか 乳児保育の歴史 乳児保育の役割と機能 -養護と教育の一体第2章 乳児保育の現状と課題 子どもと家庭をを取り巻く状況 乳児保育の現状 需要と待機児童第3章 乳児保育の実際 保育所/ 乳児院における乳児保育 家庭的保育における乳児保育第4章 3歳未満児の発育・発達をふまえた保育 3歳未満児の生活と環境/遊びと環境 3歳以上児の保育に移行する時期の保育 3歳未満児の発育・発達をふまえた援助や関わり/保育における配慮第5章 乳児保育における計画・記録・評価 生活リズムと保育園の日課 記録・保育日誌・家庭との連絡 全体的な計画と指導計画の作成第6章 乳児保育における連携・協働 職員間の連携・協働 保護者との連携・協働 自治体や地域の関係機関との連携・協働第7章 身体機能の発達と保育 身体を動かす/手を使う第8章 基本的生活習慣獲得と保育 食べる/排泄する/眠る他【著者】松本園子お茶の水女子大学大学院家政学研究科児童学専攻修了・家政学修士白梅学園大学名誉教授学生時代,女性の生き方を考える中で仕事と育児の両立を可能にするカギとして’乳児保育’ に注目したのが,保育への関心の始まりでした。その後生活は豊かになり,保育の充実は進みましたが,環境と人間関係の悪化が子どもの新たな不幸を生み出しています。今は立ち止まり,暮らしの根本を考え直したいと思っています。荒賀直子湘南鎌倉医療大学設置準備室長ハイリスク児の発育発達,特に神経学的ソフトサインを有する児の発育発達について研究しています。大きなリスクを持って出生した児が成長するにしたがい様々なことが出来るようになっていく様子は感動的です。小児期が人の一生の基礎になることを考えると大人の責任は重大であると思います。心して子どもに接したいと思います。大村禮子聖セシリア女子短期大学・非常勤講師10 年以上児童相談機関で様々な養育環境にある子どもたちと関わり,乳幼児期の養育者,保育者と子どもの日々の関わりの大切さを痛感しました。これから乳児保育を学ぶ方々には,乳児の泣きの意味について考え,成長していく子どもにとってかけがえのない時間を共に大切に過ごすことのできる保育者を目指してほしいと願っています。仲明子聖セシリア女子短期大学・教授私は二児の母親として十年余りを過ごしました。そのなかで,大人の私とは違う子どもの感じ方・考え方・振る舞い方に出会い,そのことを糸口に考え,今まで見えなかった子どもの姿に気づかされました。それらのことを十代後半の皆さんや保育現場の方にお話しすると,共感していただけるのを知ってうれしく思っています。林薫白梅学園大学・准教授子どもを取り巻く環境の変化と共に,食に関する様々な問題も増加しています。「孤食」もその1 つです。食べる事はすべての動物に共通していますが,人と人が共に食し,分け合い,楽しむことができるのは,人間の特徴でもあるのです。私たちのこの素敵な特徴が薄らぐ事のないように,子どもたちの「食を営む力」を育んでいきたいと思っています。