「これはある心理テストだ。後で答えは教えてあげるからね。さあ、君は今、上を見上げても樹々が邪魔をして空が見えないほど深い森にいるとする。光がないから昼か夜かもわからない。水もない、風もない、誰の足跡もない。道らしきものは全くない。歩き出しても景色が変わらないからちっとも進んだ気がしない、君はそこにたったひとりだ。いいかな、さて君はどうする?どうやってそこを出る?」「わからないな…すごく難しい。わたしだったら小屋を建てます。ひょっとしたら動物もいるかもしれないし、そこに住んじゃう」「そうか、じゃあ答えを言おう。これは人間のうつに関してのテストでね、‘その森’から出るには自分が『こっちだ!』と信じた道をただひたすら行くんだ」そんなに強い意思あるわけないよ。わたしは自分になにも起こらないことを望んだ。17歳だった。