国力は低下の一途をたどり、監視ドローン飛び交い閉息感が増すばかりの少し先のニッポン。この社会で負けじとタフに生きる女子中学生 里宇(りう)と、母&弟の入谷ファミリーは、石や虫などの自然と心を通わせられる不思議な力を持つ‘カザアナ’の末裔と出会う。入谷家&カザアナたちは、不登校中の長男・早久(さく)を皮切りに様子の妙なクラスメイトや職責に悩む市役所員など、かかわった人たちをほんの少し笑顔にしていく。やがて一同は謎のゲリラ組織ヌートリアと相見え、騒動はやがて国を越え――。作家生活30年目の想像力が大爆発。時空を越えて広がる圧倒の物語世界は、読むほどに勇気があふれ笑顔がこぼれます。純度100%のエンターテインメント小説にして、令和時代のハッピーなおとぎ話。