エレナはすばらしい美人だが、お金も学歴も向上心もなく、特に欲もなく、三度の食事よりフェラチオが好きという以外、取り柄のない女だった。サンフランシスコのヒッピー街の古いアパートに住み、バイトを転々としている。あるときエレナは、デクラン・ダナヒューという作家の雑用係に雇われた。知識層の男性は苦手だったが、デクランはハンサムで気さくで優しく、エレナはひと目で強く惹かれた。いつか絶対、彼と溶けるまでファックしたい。物書きに性欲があるかどうかなんて、まったくわからないけど……。彼女をあくまで従業員として扱うデクランの側で、エレナはいつも濡れていた。ついに我慢できなくなったある夜、「おつかれ、また明日」と笑顔で言うデクランに、エレナはしずかに歩み寄ると、彼のファスナーをおろした。