2014年10月、地元密着型の地方銀行で構成する第二地方銀行協会の講堂に、全国から頭取たちが集まった。暗い室内で、金融庁幹部は「合併・統合のすすめ」とも受け取れる「意見」を述べた。「他の地銀との連携や再編も選択肢の一つだ」。細溝清史・金融庁長官らの見解表明はまるで、「申し渡しの儀式」のようだった――。金融庁の「地銀再編」へ向けた猛プッシュは、前長官の畑中龍太郎氏時代からだが、その流れがここへきてさらに強まっている。2014年7月、8月、そして、9月。金融庁の検査官は、全国106の地銀を次々と訪問、経営状況の聞き取りを続けた。地方金融の現状は、いまどうなっているのか? 金融庁は、地方銀行を、どうしようとしているのか。風雲急を告げる実態を追った。※本商品は通常の書籍より文字数の少ないマイクロコンテンツです。【文字数:5199文字/単行本換算で9ページ】