インターネットによって失った未来をインターネットによって取り戻すインターネットは世の中の「速度」を決定的に上げた。しかしその弊害がさまざまな場面で現出している。世界の分断、排外主義の台頭、そしてポピュリズムによる民主主義の暴走は、「速すぎるインターネット」がもたらすそれの典型例だ。インターネットによって本来辿り着くべきだった未来を取り戻すには、今何が必要なのか。気鋭の評論家が提言する。序章 オリンピック破壊計画TOKYO2020平成という「失敗したプロジェクト」「動員の革命」はなぜ失敗したか走りながら考える第1章 民主主義を半分諦めることで、守る2016年の「敗北」「壁」としての民主主義民主主義を半分諦めることで、守る民主主義と立憲主義のパワーバランスを是正する「政治」を「日常」に取り戻すインターネットの問題はインターネットで第2章 拡張現実の時代エンドゲームと歌舞伎町のピカチュウ「他人の物語」から「自分の物語」へ「他人の物語」と映像の世紀「自分の物語」とネットワークの世紀『Ingress』から『ポケモンGO』へジョン・ハンケと「思想としての」Google仮想現実から拡張現実へ拡張現実の時代個人と世界をつなぐもの物語への回帰「大きな物語」から「大きなゲーム」へ文化の四象限第3章 21世紀の共同幻想論いま、吉本隆明を読み直す21世紀の共同幻想論大衆の原像「から」自立せよ「消費」という自己幻想吉本隆明から糸井重里へ「政治的なもの」からの報復「母性のディストピア」化する情報社会第4章 遅いインターネット「遅いインターネット」宣言「速度」をめぐってスロージャーナリズムと「遅いインターネット」ほんとうのインターネットの話をしよう走り続ける批評