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【文化・民俗】タグの実用書

何かを贈ること、プレゼントすることは、日常誰もが行っている。本書は、この「贈与」という行為に注目し、それがどこから生まれ、どのような機能をもってきたのかを探り、いかに人間の本質と結びついているのかを明らかにする。贈与の起源を遡れば、それは〈宗教的なもの〉の発生と不可分だと考えられる。みずから働いて産み出した富――遊牧民や牧畜民なら羊など、定住農耕民なら小麦や葡萄などを「犠牲(サクリファイス)」として神々や精霊に捧げること。そこには祝祭の空間が生まれ、やがてそれは共同体を支える制度となった。これは現在も「祭り」として目にすることができる。一方で、贈与は他の人に何かをプレゼントすることとしても現れる。歴史を振り返ると、その源には窮境にある人に自分の富や財産を贈る行為がある。これは今も「寄付」などの行為に見られるものであり、美徳とみなされることが多い。このように、太古の昔から現代に至るまで、人間は贈与という行為に価値を見出してきた。では、なぜ贈与には価値があるのかといえば、自分にとって大事なものを手放して与える行為だからである。ところが、誰にとっても最も大事なものとは何かといえば、自分に固有のもの、自分の唯一のものだが、それは手放してしまえば自分が自分でなくなるものであり、つまりは原理的に贈与できないものだと言わざるをえない。これを逆から見れば、贈与できるものとは「交換可能なもの」であることになる。それゆえ、いかなる贈与も時間が経つうちに「見返り」を暗に要請するものとなり、「交換」になってしまう。だとすれば、純粋な贈与とは不可能なのか。不可能だとすれば、そもそも贈与という行為の価値そのものが揺らいでしまうのではないか――。本書は、数々の定評ある著作をものしてきた著者が長年にわたって取り組んできたテーマを正面から取り上げた、「集大成」と呼ぶべき渾身の論考である。今失われつつある「思考すること」の真の姿が、ここにある。[本書の内容]第I章 古代思想における〈正しさ〉第II章 初期キリスト教における〈正しさ〉1 神との内的関係を重く見ること2 カントの実践哲学3 キリスト教に対するニーチェの評価と批判第III章 原初の社会における贈与的ふるまい1 〈贈与というかたちを取る〉物の交流・交易2 贈与的なふるまいの両義性3 贈与的次元を含む運動、それを打ち消す動き(再-自己所有)第IV章 贈与をめぐる思索1 贈与的ふるまい2 贈与、サクリファイスと模擬性=反復性3 苦難の時そのものが新たに、未知なるものとして生き変わること4 不可能なものという試練
公開日: 2020/06/10
単行本・雑誌
 
特集:世界を覆う「まだら状の秩序」現在の世界秩序を何と呼べばいいのだろうか? 自由主義とイスラーム主義といったイデオロギーによる断裂の線は、地理的な境界を持たず、中東でもアフリカでも、欧米の国々でも、社会の内側に走っている。個々人も、慣れ親しんだ自由を享受せずにはいられないにもかかわらず、他方で強い指導者に難問を委ね、即断即決の強権発動で解決してもらおうという心性に、知らずのうちに侵食されている。ここに「まだら」な状態が生じてくる。グローバルな条件が可能にする、グローバルな危機の震源は、「まだら」な世界地図のひとつひとつの斑点のように、世界各地に、究極的にはわれわれ一人ひとりの内側に点在している。「まだら状の秩序」を凝視する作業によって変化の片鱗を見出そうとしていたわれわれの営為は、今後どのように見えてくるのか。責任編集:池内恵(東京大学先端科学技術研究センター教授)
公開日: 2020/05/30
単行本・雑誌
 
近年、「自閉症」について多くの書物が書かれ、論じられるようになっています。これは、21世紀になって突出してきた現象で、20世紀にはなかったものです。しかもこれは、日本に限った話ではないのです。著者は、21世紀という時代の1つの特徴が、この「自閉的傾向」の突出化には現れているのではないかと考えています。その1例に伊藤若冲のブームがあります。前世紀まで若冲は「奇想の画家」として、美術史においてはアウトサイダー的な存在に過ぎませんでした。ところがその彼が、今では昨今の「日本美術ブーム」を引っ張る存在になっています。あるいは、『君の名は』『天気の子』が立て続けに大ヒットになったアニメ作家の新海誠。彼の作品もその「自閉症的」傾向が初期の段階からしばしば指摘されていました。この2人に共通するのは、ディテールへの過剰なまでのこだわりです。それゆえに画面は異常なまでに高精密になり、と同時に非常にフラットなものになります。一言で言えば、非常にデジタルな感じがするのです。デジタルとは、完璧なコピーと同一なものの繰り返しが可能になる技術ですが、この「高精密」で「完璧に同一なもの」の繰り返しこそは、まさに自閉症者が大好きなものです。現代アートに革命を起こしたアンディー・ウォーホールを早い例として、「ミニマルアート」と呼ばれるものの現代美術、現代音楽における流行も、この同じ時代の「好み」に即したものなのではないでしょうか。そしてこの時代精神をもっとも端的に表すのが、コンピュータの存在です。開発の祖に当たるチューリング、ノイマンから始まって、スティーブ・ジョブスやフェイスブックのザッカーバーグなど、IT、AIに関わる科学者、技術者に「自閉症的傾向」が強いことは、つとに指摘されている通りです。というか、そのような人たちの存在があってこそ、コンピュータ的なものは、ここまでの洗練を見たのです。いまや「デジタル的なもの」は、否応もなく21世紀人の感性の基盤になった感があります。とすればその底に自閉症的な美意識が伏在しているのは、むしろ当然ではないでしょうか。本書は、上記の視点のもと、21世紀という時代そのものの「自閉症的傾向」を明らかにするものです。
公開日: 2020/05/20
単行本・雑誌
 
【日本のしきたりを図解でわかりやすく紹介】「運気を上げる」をキーワードに、「春」「夏」「秋」「冬」の1年を通して行われる暮らしの中のしきたりと、成長や長寿などを祝う「通過儀礼」のしきたり、結婚や葬式などにまつわる「冠婚葬祭」のしきたりを解説していきます。また、しきたりの「そもそも」と、古来より受け継がれてきたしきたりの歴史的な変化、地域による違いの理由、慶事と弔事、そして「しきたり七不思議」的な視点も交え、「日本のしきたり」への尽きない興味を丁寧に紐解きます。<監 修>千葉公慈 (ちば・こうじ)1964年千葉県市原市生まれ。駒澤大学大学院人文科学研究科博士後期課程を満期退学。駒沢女子大学人文学部日本文化学科教授。曹洞宗冨士山宝林寺第24世住職。日本文化全般に造詣が深く、さまざまな考察、研究を行っている。
公開日: 2020/04/22
単行本・雑誌
 
アメリカ地図を10の異なる文化圏に分け、それぞれのルーツ、地形、経済、産業、政治、雇用、人種(エスニック集団)、宗教、高齢化、出生率などの特性についてデータをもとに、現代アメリカの姿を地図とともにつまびらかにする。
公開日: 2020/04/21
単行本・雑誌
 
武士の世の幕開けを告げた保元・平治の乱から、秀吉による文禄・慶長の役まで、中世は武士による戦乱の時代だった。承久の乱や南北朝の内乱、応仁の乱、戦国のさまざまな合戦など、中世の画期となった重要な戦乱について、先端研究者が最新の研究に基づいて叙述。単なる戦乱史・事件史にとどまることなく、戦乱を切り口とした中世の通史・政治史として描き出す。そして、なぜ中世には全国規模の内乱が頻発したのか、その構造的要因を考察する。戦乱の世を一望に収める入門書。
公開日: 2020/04/17
単行本・雑誌
 
近年ブームとなっている四国遍路。四国八十八ヶ所の成立、遍路日記などの記録、古代から現在に至る歴史的変遷、古典文学での描かれ方、外国人遍路を含めた現在の人気、世界各地の巡礼との比較など、さまざまな視点から読みとく15講。四国遍路はなぜ時を超えて人々を魅了してきたのか? 最新の研究をまとめた入門書。
公開日: 2020/04/17
単行本・雑誌
 
江戸の「怪異」と「魔界」を探る本今なお残る江戸の‘闇’を散策する妖怪変化、幽霊、怨霊──江戸の町には魔物や化け物が蠢いていた……幕府の厳しい統制下にありながらも、さまざまな文化が花開いた江戸の町。華やいだ側面がある一方で、江戸の町は魑魅魍魎が跋扈する「魔界」という側面ももっていた。河童、天狗などの妖怪をはじめ、狐や狸などの動物の化け物、平将門や新田義興などこの世に恨みを残して死んでいった怨霊たち、お岩やお菊などの女幽霊、歌舞伎や講談などにも取り上げられた怪談話──江戸は鬼の進入を防ぐための「鬼門封じ」がほどこされている町であり、そもそもが「魔界」たりうる町だったといえる。江戸っ子を恐怖に陥れた「魔界」に迫り、江戸文化のひとつの側面を見ていく。【目次】第一章 江戸を魔物から守る「鬼門封じ」─鬼の出入り口をふさぐ 四神と寺社第二章 江戸に蠢く「怨霊」に迫る─実在した人物が江戸の人々に祟る恐怖第三章 江戸にあら われた「妖怪」の真実─天狗、河童、変化…妖怪の正体をひもとく第四章 恨みを残した「女幽霊」の正体─幽霊と妖怪は何が違うのか?第五章 江戸の「魔界」を探訪する─今も残る魔界の痕跡を辿る
公開日: 2020/04/16
単行本・雑誌
 
日本人論の「古典」として読み継がれる『菊と刀』の著者で、アメリカの文化人類学者、ルース・ベネディクトが、1940年に発表し、今もロングセラーとなっている RACE AND RACISMの新訳。ヨーロッパではナチスが台頭し、ファシズムが世界に吹き荒れる中で、「人種とは何か」「レイシズム(人種主義)には根拠はあるのか」と鋭く問いかけ、その迷妄を明らかにしていく。「レイシズム」という語は、本書によって広く知られ、現代まで使われるようになった。「白人」「黒人」「黄色人種」といった「人種」にとどまらず、国家や言語、宗教など、出生地や遺伝、さらに文化による「人間のまとまり」にも優劣があるかのように宣伝するレイシストたちの言説を、一つ一つ論破してみせる本書は、70年以上を経た現在の私たちへの警鐘にもなっている。訳者は、今年30歳の精神科医で、自らの診療体験などから本書の価値を再発見し、現代の読者に広く読まれるよう、平易な言葉で新たに訳し下ろした。グローバル化が急速に進み、社会の断絶と不寛容がますます深刻になりつつある現在、あらためて読みなおすべきベネディクトの代表作。
公開日: 2020/04/09
単行本・雑誌
 
四千年の歴史を脳裏にきざんだ オオクニヌシ直系のカタリベが出雲王朝の封印を解く! そこに時間というものは存在しない、あるのは空間のみ、 いまだに古代史の世界が存在している… 待望久しい幻の名著が38年の時を超えて復刻! ?出雲神族・天孫族・ヒボコ族、この三者の結合・離反・対立・闘争を調べれば、おのずと古代史の謎が解けてくる? ・日本の裏面史の研究にかかせないヒボコとは? ・蘇我入鹿を誅殺したのはヒボコ系の暗殺団! ・記紀に書かれた天皇の行動は、すべて天皇自身のものであったのか? ・奈良朝ごろまで各種族間に通じる言語はシュメール語であった!?・出雲神族は遙か彼方オリエントの地からやってきた! ・天孫族は敵に酒を飲ませ、音楽を聞かせ、油断させた上で、残酷なやり方で殺していく… ・出雲神族は天孫族によりほとんどが殺され、絶滅状態に… ・出雲神族は反体制に徹する! ・種族が違うことによる違和感、闘争による怨念はなかなか消えない… ?出雲神族は不思議な種族……どんなに混血させられても絶対に同化しない? ・熊野大社 対 神魂神社、出雲では現在でも敵対関係が続いている ・いつしか神々の承認は天孫族の承認へと変わってしまった… ・出雲神族ほど朝鮮系の渡来人を嫌う種族はいない。 ・出雲神族はシュメールを追われ、インド→ビルマ→タイ→中国江南→朝鮮→ロシア→カムチャッカ半島→千島列島→北海道→出雲へと渡来した!?・出雲神族の葬儀は風葬と水葬で行われた ・継体天皇は、昔から謎の天皇とされてきた… ・武烈天皇で神武王朝は断絶。国は乱れ、出雲神族は頼まれて天皇を出した ・継体天皇?宣化天皇は出雲神族であった
公開日: 2020/04/09
単行本・雑誌
 
『誰も知らなかった日本史』の刊行記念セミナー、待望の書籍化! 天皇家の裏にアメリカがあり「トランプ大統領は火力文明の終焉をもたらす! 」 暗殺されていなかった! ? 孝明天皇が国家の未来に託したものとは! ? 敗戦の裏に封印された昭和天皇の秘密がついに明かされる! 皇国の神術「切紙神示」で日本の未来を占った孝明天皇。そこに現れたのは、「日本の三種の神器と日の丸の御旗を米国は奪う企み、油断するな」というメッセージだった。 のちに、この予言が2人の男の手により出口王仁三郎のもとに届けられる。これを受けて王仁三郎が実行した、衝撃の日本救済の方法とは? 幕末以降の《語られなかった真実》を王仁三郎の直系のひ孫である著者が、貴重な資料とともに読み解いていく! 付録に出口王仁三郎の予言「吉岡御啓示録」も収録! 『アメリカは「腐っても鯛じゃ」とその膨大な軍事力を過信しとったら、アメリカが勝つと皆思うておるがナー。今度は神様と○○○の戦争じゃ』 ◎ 孝明天皇は出口王仁三郎の出現を予言していた! ◎ 「たまほこのひ可里」には書かれていない孝明天皇の予言 ◎ 明治維新とは南朝革命のこと ◎ 大本事件と天皇家には深い因縁があった! ◎ 大和三山を天皇が踏むと「天と地の立替え」が起こる! ◎ 王仁三郎の《吉岡発言》が昭和天皇の《人間宣言》をもたらした! ◎ 天皇は八岐大蛇、王仁三郎が本物の天子の意味 ◎ 王仁三郎が昭憲皇太后から託された「天皇家の秘密」 ◎ 米国が現皇室の背後にいる! ◎ ドナルド・トランプが火力文明《残虐なる戦争》を終わらせる!
公開日: 2020/04/09
単行本・雑誌
 
石が飛ぶ!? 人体が浮く!?ピラミッドの巨石は採石場からこうして空中輸送された! チベットの僧は楽器の音と声で浮揚力を引き出していた! これが世界初の「反重力解説書」だ! エジプトのピラミッド、ストーンヘンジ巨石運搬のナゾ。現代の最新技術を駆使しても難しいと言われるそれらを古代人は、どうやって行ったのか?そこには反重力(空中浮揚)技術が大きく関わっていた! 科学ジャーナリストである筆者は、反重力に関する世界中の膨大な情報を分析し、ある共通の法則にたどり着く。巨石に息を吹き込む椀状石、浮揚する僧侶を取り囲む火、上下左右に楽々と空中移動するナゾのプラットフォーム…。今、古代史ミステリー、最大の謎解きが始まる。医療やエネルギーなど科学の闇を暴いてきた筆者が挑んだ最新にして最強のテーマは「反重力」。波動、振動、電磁場、フォース・フィールド…。ついに、重力コントロールの極意が明かされる!
公開日: 2020/04/09
単行本・雑誌
 
「カタカムナ」「サヌキアワ」という言葉の響きがなぜか気になる方、「カタカムナ」を知りたいと感じるすべての方に向けた、「はじめてのカタカムナ」!八百万の神さまの名前の由来にもなった超古代文字「カタカムナ」には、女性のしあわせな在り方や暮らし方、男女のパートナーシップのこと、子育てや今後の教育のための大切なヒントが隠され伝えられています!【カタカムナとは?】1万年以上前からあり、日本語のもとになったとされる文字。この世の成り立ちや物理、電気、農業、身体の仕組みなど、幅広い叡智が記されており、近年までは隠されてひっそりと伝えられてきた。【カタカムナを知ると…】・母国語のルーツに触れて、本来のチカラを思い出す・古代から伝わるサヌキ(男)、アワ(女)のしあわせな生き方が分かる・男性原理から女性原理の世の中へ。シフトに起こる変化への理解が深まる・これからの子育てや教育の在り方のヒントに触れる・暮らしに活かすカタカムナ実践が可能に!・サヌキ男、アワ男、サヌキ女、アワ女…。‘四相のサトリ’や多様性を知る超古代文字が教えてくれる智恵に触れ、「サヌキ(男性)、アワ(女性)って、こういうものだったんだ!」「パートナーシップや子育てって、こんなにも深いものだったんだ!」「にほんごってすごい!」と、自分自身のルーツや、日常に使っている言葉の音のチカラを実感するはずです。基本の五首・六首のウタ&四十八音の声音符一覧付き!
公開日: 2020/03/27
単行本・雑誌
 
「わび・さび」「数寄」「まねび」……この国の<深い魅力>を解読する!独自の方法論で日本文化の本質を見通す「松岡日本論」の集大成!お米のこと、客神、仮名の役割、神仏習合の秘密、「すさび」や「粋」の感覚のこと、「まねび」と日本の教育……断言しますが、日本文化は廃コンテキストで、一見、わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂があるのです。(「はじめに」より)<本書のおもな内容>・なぜ日本はヤマトと呼ばれるのか・神さまをカミと呼ぶようになった理由・日本人のコメ信仰にひそむ背景・日本人が「都落ち」にダンディズムを感じる理由・日本人が七五調の拍子を好むわけ・世阿弥が必要と考えた「物学」の心・今の時代に求められる「バサラ」と「かぶき者」・「伊達」「粋」「通」はなぜ生まれたのか ほか<本書の構成>第一講:柱を立てる第二講:和漢の境をまたぐ第三講:イノリとミノリ第四講:神と仏の習合第五講:和する/荒ぶる第六講:漂泊と辺境第七講:型・間・拍子第八講:小さきもの第九講:まねび/まなび第一〇講:或るおおもと第一一講:かぶいて候第一二講:市と庭第一三講:ナリフリかまう第一四講:ニュースとお笑い第一五講:経世済民第一六講:面影を編集する
公開日: 2020/03/18
単行本・雑誌
 
「おそらく、私は「万葉集原論」を生涯の課題としていくことだろう」。 本書は日本を代表する文学者、中西進の真骨頂である。 現存する最古の歌集『万葉集』。七、八世紀の歌、四千五百首余が二十巻に収められ、額田王、柿本人麻呂などの著名な歌人、天皇、皇族から、防人、遊女に及ぶ作者と作品の豊かさは、世界的にみても異彩を放っている。 この『万葉集』研究の第一人者であり、幅広い文学活動でも知られる著者は、古代日本文学の本質に迫ると同時に、世界のなかの日本文化を問う視座を持ち続けてきた。 『万葉集』とは何か。真摯にそれを見極めんとした本書が示すのは、学問とは何か、その方法はいかにあるべきかという切実な問題意識に裏打ちされた、著者だからこそ到達しえた比類なき『万葉集』の姿である。(原本:『万葉集原論』桜楓社、1976年)【主な内容】学術文庫版まえがき 一 万葉集研究の方法文学史の方法――その「歴史」について文学研究の方法万葉集研究の方法研究と批評 二 万葉集の構造万葉集の構造万葉集の生成万葉集の原点万葉集の集団性 三 万葉集の表現万葉歌の形式万葉歌の方法古代的知覚――「見る」をめぐって古代文学の言語万葉集の漢語桜楓社版後記解題 犬飼公之
公開日: 2020/03/11
単行本・雑誌
 
2002年5月の十三代目市川團十郎襲名を控えて、江戸時代前期にさかのぼる市川團十郎家の歴史を、豊富な絵画資料と歌舞伎研究の第一人者の解説で読む。歌舞伎を観ることは、役者を観ることである。そして、江戸歌舞伎の中で常に特別な位置を占め、最も大きく重い名前とランク付けされてきたのが、「市川團十郎」の名跡だった。並み居る役者の中から、まず卓越した天性と技量を持って抜け出した初代。親譲りの荒事を様式的に練り上げた二代目。「歌舞伎十八番」を公表して團十郎の名と権威を改めて確立した七代目。近代化の苦悩の中で歌舞伎界のリーダーとして縦横の活躍を見せた九代目。生来の美貌で戦後の歌舞伎を立て直した「海老さま」十一代目…。それぞれの時代を生きた個性豊かな十二人の團十郎を豊富な役者絵や舞台写真をまじえて活写する。「歌舞伎十八番」演目解説、團十郎デザインのいろいろ、市川團十郎家系図、関係年表も完備。巻末解説を、元国立劇場理事で十二代目と長く親交のあった織田紘二氏が執筆。〔原本:『市川團十郎代々』講談社刊、2002年〕
公開日: 2020/03/11
単行本・雑誌
 
Languages change over time. No matter how hard we try to control and regulate them, they exist in a state of endless metamorphosis. This does not mean, though, that we should simply stand by and watch as language devolves into nonsense.What should we do, then? Recognizing the inevitability of change is a given, of course. But we must also navigate the delicate line between the pull of popular trends and the urge to cling blindly to the ways of the past. The ideal balance, Professor Nakanishi argues in this book, lies in being ‘one step behind the times,’ which is the best approach for wielding all the charms of a language.Beautiful words have an ageless quality, regardless of when they first appeared in a language. The Japanese language testifies to that truth. This book introduces a balanced mix of new and old words that reflect the singular beauty of the Japanese language.The beautiful words of the Japanese language are not―as some people say―simply old, antiquated terms. Discerning beauty in a language requires more than having an antiquarian’s ear; it requires certain sensibilities and sensitivities. Only by submerging ourselves in a language can we perceive its splendid subtleties, and appreciate its true beauty.This book offers readers an opportunity to delve into to those nuances of Japanese, explore the language’s history, and savor its unique beauty.
公開日: 2020/03/06
単行本・雑誌
 
水辺に出没する日本の妖怪・河童。本書は、民間伝承や文献に出現するこの空想生物を、時代ごと地域ごとに精査。そこから、近世の潅漑用水発達と鎖国にともない内陸の河沼へ目が向けられたこと、ワニやスッポンなど水棲生物を祖型としつつ、水死者・被差別民・処刑キリシタン等のイメージが多元的に重なって河童となったことが浮かびあがる。民俗学と科学史を横断した異色の生物学者による実証分析的空想生物学の著作。その底流には、日本人の生命観へのアプローチが満ち満ちている。
公開日: 2020/03/06
単行本・雑誌
 
自分の国の歴史を学ぶ──その「勉強」には、一体どんな意味があるのだろう。「日本」と呼ばれるこの国は、一体どうやって生まれたのだろう? たった一つの視点からでは、歴史を語ることはできない。言語、宗教、文化、戦争……。周辺国との複雑で密な交わりこそが、この国の過去を楽しむ鍵になる。凝り固まった一国史観から解放される、ユーモア溢れる日本史ガイド!
公開日: 2020/02/14
単行本・雑誌
 
われわれが生きるこの国のいまは、どこから繋がり、どこに向かっていくのだろうか? 鎖国政策、幕末の動乱、大陸政策から現代社会に至るまで、アジアはもちろん様々な国々と民族からの刺激を受けつつ、「日本人」たちは自国の歴史を紡いできたが──。「唯一無二の正解」を捨て、新たな角度で自分の故郷を再度見つめる。やわらかで温かな日本史ガイド・待望の近現代史篇!
公開日: 2020/02/14
単行本・雑誌
 
始皇帝のすべてを知りつくすための最新にして渾身の一冊。 始皇帝は、戦国時代に趙、魏、韓、楚、燕、斉を滅ぼして天下統一を成し遂げ、中国史上最初の「皇帝」となった人物。統一後も郡県制による中央集権化の強化や万里の長城の建設、度量衡(長さ、体積、重量)の統一や交通網の整備など、後世に残る数々の偉業を行った。近年の研究結果により、彼の人物像は一辺倒な法治主義者のイメージから、柔軟な思想を持つ偉大な存在として大きく変化しつつある。本書は始皇帝研究の第一人者である鶴間和幸氏による完全監修で、最新の研究結果を踏まえつつ、始皇帝の熱き生涯を図版と人物イラストで追いかけながら、その真実の姿を紐解き、わかりやすく読み解く内容に仕上げた。また、中国史上初の天下統一という偉業を支えた始皇帝の周りの関連人物たちも徹底的に分析。李信、王翦、李斯、蒙武、昌平君、楊端和など歴史にきらめく英雄たちの実像についても検証している。巻末には、特別企画として、鶴間和幸氏が最新の研究内容を語りつくす貴重なスペシャルインタビューも掲載。
公開日: 2020/02/06
単行本・雑誌
 
鎮痛薬やワクチンなど、昔からある医薬品を中心に、その起源や薬の開発のいきさつなどを紹介しながら、その薬と社会とのかかわりが描かれています。現在の製薬企業のありかたや医薬関連の規制についての話や、とくに米国で社会問題となっている薬物依存症の状況も盛り込まれ、製薬をめぐる世界を俯瞰してみることができます。薬に関する科学的な説明部分もわかりやすく簡潔で、開発のいきさつは物語を読むようにドラマティックで興味を引き、しかも全体的にコンパクトにまとまっているので、一般の人も抵抗なく飽きずに楽しめる内容です。単なる薬にまつわる「小ネタ集」ではありません(もちろん、驚くべき小ネタもたくさんあります)。有史以来、ヒトはどのように薬と付き合い、法律を定め(そのことにより裏の世界が開花しました)、開発し、制度をもうけていったのか、そして、これからどうなっていくのか……。きっと世界史を見る目を変えてくれるでしょう。
公開日: 2020/01/24
単行本・雑誌
 
どの街角を歩いても歴史に出会う街、パリ。その尽きせぬ魅力を物語風に活写する。第1部はパリの誕生から現在まで、2000年以上にわたるその歴史を30の章に分けて紹介。第2部は、パリの様々な横顔を連想風につづる。旅行ガイドにもおすすめ!
公開日: 2020/01/15
単行本・雑誌
 
自転車を「bike」と呼ぶか「cycle」と呼ぶか、眼鏡は「spectacles」かはたまた「glass」か。イギリスの階級意識はこんなところにも現れる。言葉遣い、アクセントにはじまり、家や食べ物、ファッション、休暇を過ごす場所……あらゆるものに微妙な、あるいは明白な階級をあらわす名札がついている。「世界中でもっとも階級にとりつかれた国」、作家ジョージ・オーウェルはイギリスをそう評している。 そんなイギリスで「紳士」たらんと、ほかの階級から嘲笑を浴びつつ精一杯背伸びしてきたのが、本書の主人公「ロウアー・ミドル・クラス」の人々である。「英国紳士」と聞いて真っ先に思い浮かべるシャーロック・ホームズや、日本で人気のジーヴズは、実は彼らと同じ階級に属するヒーローなのだ。 ワーキング・クラスとは断固区別されたい、しかしアッパー・クラスには決して届かない。上の階級の趣味や持ち物をまねると、たちまち流行して彼らが所属する階級の証となり、揶揄の対象になってしまう。隣人と差をつけるべく、アップライト・ピアノを買い、レースのカーテンを飾り、ささやかなことに一喜一憂する姿は、滑稽でありながらもいじましく、愛おしい。 彼らが揶揄されはじめたヴィクトリア朝から、かつての階級を超越した「スーパー・クラス」が登場する現代に至るまで、およそ100年間の悪戦苦闘を豊かなエピソードで描きだす。ほろ苦くもおかしいイギリス階級文化論。(原本:『階級にとりつかれた人びと』中公新書、1999年)
公開日: 2020/01/10
単行本・雑誌
 
名著『遠野物語』の翌年、柳田國男36歳の著作。「支那では古くから「万姓統譜」などいう書物があって、これによれば家々の歴史もわかり、間接には数千年来の国内植民の趨勢も明らかになることであるが、不幸なることにはわが邦にはこの種の書籍もなく、しかも度々の混乱を経た今日となっては、将来これを作製すべき希望もはなはだ乏しいのである。せめてもの希望として、たとい明治になって家号を付けた家々まで、その由来を明らかにすることができぬまでも、せめては地方地方の旧族名門、およびいわゆる士族という階級だけは、多少の辛苦をすればわかるのであるからして、今のうちにその家号の索引をこしらえておきたいものである」(本書より)
公開日: 2020/01/08
単行本・雑誌
 
『タイ語レッスン初級1』の続編。『初級1』から続いているストーリーで、楽しくタイ語が学べます。タイでの生活やタイ文化についてのコラムも充実しています。『初級1』と合わせて学習することで、タイ語の基本的な表現や文法を一通りマスターできるようになっています。なお、本書はCD付き書籍として発売したものの書籍部分のみを電子化したものです。CD収録の音声データは収録されておりませんのでご注意ください。音声データは弊社サイトからダウンロードまたはストリーミング再生でご利用いただけます。
公開日: 2019/12/23
単行本・雑誌
 
見ているだけでぐんぐん歴史に強くなる! 年号やできごとを地域別に比較できる豊富な写真でイメージが広がる世界史といえば、‘外国の歴史’というイメージがあります。しかし、世界史は決して「よその国の話」だけで終わるものではなく、実は日本とも意外な形で結びついていたりします。もちろん日本との関係だけでなく、世界史を概観でみると、単に一つの地域、一つの国の歴史を追っているようでも、ほかの地域や国々の出来事と深く関わっていたり、過去と現在が密接につながっていたりするのがよく分かります。歴史とは「点」ではなく、「線」なのです。本書の制作にあたっては、そのような日本と世界の歴史の大きな流れを把握していただこうと、できるだけ分かりやすく読みやすい構成を目指しました。豊富なイラストや写真で、より理解が深まると思います。本書を通じて、日本、そして世界の歴史を「線」でとらえ、歴史を学ぶのではなく、歴史から学ぶ面白さを感じ取っていただければ幸いです。ひとりでも多くの方が、歴史を楽しんでくださいますように。使われている写真は、世界遺産を中心に、多くの協力をえて記載しています。★ 写真提供元 ★共同通信社ロイター=共同新華社=共同奈良県立橿原考古学研究所附属博物館青森教育庁文化財保護課福岡市博物館高知市観光協会堺市博物館佐賀県教育庁文化課和歌山県文化遺産課京都市御霊神社社務所宇治市平等院白井篤(敬称略・順不同)※ 本書は、2012年発行の『小学生のための まるわかり日本&世界 歴史年表』を元に、2016年、2019年に加筆・修正を行っています。
公開日: 2019/12/18
単行本・雑誌
 
特集「可能性としての未来――100年後の日本」100年前の1920年(大正9年)、ジャーナリスト三宅雪嶺は主宰する雑誌『日本及日本人』で「百年後の日本」を特集した。島崎藤村、宮崎滔天、菊池寛、室生犀星、山川菊栄ほか、学者、教育者、政治家、文学者、ジャーナリスト、官僚、軍人、労働運動家、宗教関係者など300人を超す人々が原稿を寄せ、100年後の日本について論じた。『日本及日本人』から100年後の今、本特集で改めて100年後を予測することで、現在を生きる我々が未来を創る活力の糧としたい。
公開日: 2019/12/18
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歴史の定説を覆す新説! いま、日本史が面白い!千葉県山武郡横芝光町の姫塚古墳から、ユダヤ人と思われる埴輪が発見されていた。いったいこれは、どういうことなのか?日本史の見方が変わる30の新視点 縄文時代の火焔型土器とは、水紋土器だった! 日本神話に記された高天原は、関東にあった! 天孫降臨とは何だったのか? ヤマトタケルは誰だったのか? 邪馬台国も、卑弥呼も、実は存在しなかった! 皇紀元年の真実とは? 謎の絵師、東洲斎写楽とは、葛飾北斎だった!(しゃらくせい!あほくせい!)なぜ「近代」文学者は自殺するのか?※この作品には、電子版巻末特典として、田中英道著『日本国史 世界最古の国の新しい物語』(育鵬社刊・2018年6月刊)の一部が収録されています
公開日: 2019/12/12
単行本・雑誌
 
民俗学って何だ? 戦後の民俗学を発展させた泰斗による、決定的テキスト。人々の日常への探究は、いかに始まり、どう展開し得るか。これを読めば全体像がわかる!ハレとケ、山民/海民、カミとホトケ、ケガレ、女性と子ども……。人々の営みを学として探究するための最重要事項を、初歩から核心まで明快平易に講義。近世の萌芽から柳田国男、南方熊楠、折口信夫らに至る研究史をふまえ、さらには都市の民俗などアクチュアルな学問としての可能性を展望する。【本書より】 民俗学は二〇世紀後半、世界の文明民族の間で必然的に起こった学問である。イギリス、ドイツ、フランスなどヨーロッパ文明社会の知識人たちが、同じ民族の内部で、キリスト教以前の文化や、先住民族の遺習などに気づき、それらが辺境の地域社会に残存していることを研究対象にしてスタートさせた。日本においては、ほぼ同時期に、本居宣長や平田篤胤、菅江真澄などの国学者や知識人たちが、田舎の習慣に古代を求めたり、他界観、神観念についての考えを深めたりしており、さらに明治時代末に至り日本の近代化、工業化に対する批判の姿勢をもった柳田民俗学が出発したのであった。 各国の民俗学のあり方には、それぞれ特徴があり、一括することは難しい。しかし共通している点は、古習の残存をとらえるという観点ではなく、むしろ現代社会に現実に生きている民俗の意味を問うということであり、日本の民俗学にはそのための枠組みとして、「常民」や「ハレ・ケ」の概念が用意されたが、近年それだけでは不十分であることからつぎつぎと修正意見もだされてきている。民俗学は出発の時点においてまず都市化を経験しており、民俗が外在的にも内在的にも変容しつつあることを大きな前提としていた。民俗はつねに変化しているからこそ、変化の相のなかにプロトタイプや変化のプロセスを探ることが可能になっている。民俗の消滅は変化の仕方であり、そこに原則をとらえる必要があるだろうし、一方に民俗の再生、再生産、創造という認識もなされてくる。近代化・都市化に応じての民俗のあり方が現代民俗学にとって不可欠の視点となっているのが現状の認識といえるだろう。【本書の内容】1 民俗学の成立と発達2 日本民俗学の先達たち3 常民と常民性4 ハレとケそしてケガレ5 ムラとイエ6 稲作と畑作7 山民と海民8 女性と子ども9 老人の文化10 交際と贈答11 盆と正月12 カミとヒト13 妖怪と幽霊14 仏教と民俗15 都市の民俗※本書の原本は、1990年に放送大学教材として刊行されました。
公開日: 2019/12/11
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