私たちは生涯、発達し続けながら生きている。親子関係のなかに自我を育む幼少期、学校や先生、仲間と出会う子ども時代、職業や配偶者の選択など決断を重ねながら自分らしい人生を重ねてゆく青年時代、そしてさまざまな道のりで老いてゆく老年期。社会をつくり、社会のなかで変わり続けながら生きていく私たちのすがたを最新の調査分析でみる。今日、家庭は労働からの慰撫を求める休息の場となり、親は子どもへのしつけを喪失し、私生活の重視は学校の役割に、大きな影響を与えるようになっている。男女の出会いの変化は、子育てと仕事のあいだの男女の意識に緩やかに影響している。人間が成長とともに選択し、適応しながら生きてゆく社会環境。それ自体が時代とともに大きく変わってゆくようすをも丁寧にたどる一冊。